3名が医学研究賞を獲得、みかんの会


 快挙! 2020年10月15日に開催された「みかんの会」(新潟大学医学部医学科大学院生の研究発表会)にて当教室の学生3名が医学研究賞を獲得し表彰されました。

 井内さん、修士一年での優秀賞「すごい」ですねー。

 

新潟大学若手医学研究賞

1.     結核診断に有用な抗原の検討および発現時期の観察

井内 絵梨奈 修士課程1年

2.     A molecule regulates metabolism ensuring the survival of Mycobacterium tuberculosis var. BCG

Shaban Amina Kaboso 博士課程1年 

3.     ゲノム編集技術を用いた、結核菌分子の機能解析

袴田 真理子 博士課程4年

 

 

 

袴田が、Young Award優秀賞をいただきました。


 2020年10月11〜12日、Web開催にておこなわれた、第95回日本結核・非結核性抗酸菌症学会総会にて、袴田真理子が、「早期発症者と長期潜伏後発症者より分離した結核菌北京株のゲノム変異解析」について発表し、「若手の医師・医療従事者・研究者のご発表の中から選抜される優秀演題」として、Young Award優秀賞を受賞しました。おめでとうございます。

 

閉会式・表彰式の模様

 

https://www.kekkaku.gr.jp/jst95/portalsite.html

 

 

 

 

 

袴田、瀧原、岩本、田丸等の論文が、Sci Rep誌に採択されました。


2020年10月、袴田、瀧原、岩本、田丸等の論文が、Scientific Reports誌に採択されました。

「Higher genome mutation rates of Beijing lineage of Mycobacterium tuberculosis during human infection 」

Mariko Hakamata, Hayato Takihara, Tomotada Iwamoto, Aki Tamaru, Atsushi Hashimoto, Takahiro Tanaka, Shaban A. Kaboso, Gebremichal Gebretsadik, Aleksandr Ilinov, Akira Yokoyama, Yuriko Ozeki, Akihito Nishiyama, Yoshitaka Tateishi, Hiroshi Moro, Toshiaki Kikuchi, Shujiro Okuda, and Sohkichi Matsumoto

 

 世界に拡散した結核菌は7系統に分類でき、その中でLinage 2に属する北京型結核菌は東アジアに多く、ヨーロッパに多いLinage 4と並んで、病原性が高いことが知られています。一方、結核菌の進化速度は、病原細菌のなかで極めて緩慢で、ゲノムあたりおよそ0.1塩基/年ほどの変異率でしかないと言われていました。

 本研究では、本邦で生じた“北京型結核菌株による、あるアウトブレーク”から、複数の人に感染しそれぞれ異なる期間を経て発症に至った菌株のゲノム解析を行った結果、他の系統よりおよそ10倍高い変異率であったことを報告しました。また早期発症者由来株では、変異率が高く、長期潜伏菌においては低いものの、酸化ストレス依存的な変異が多いことも分かりました。

 およそ10年間におよぶ追跡により、本研究ははじめて、人に感染し発症せしめた結核菌北京株のゲノム変化を解析した結果、他の結核菌系統よりも変異率が高く、それが、北京型結核菌の高い適応性や薬剤耐性率の要因である可能性を示しました。

 

 

COVID19ワクチン開発を行います。


 長期間の免疫刺激が可能で、強いアジュバント活性(免疫賦活活性)がありながら、安全で実績のある、結核ワクチンBCGを用いたCOVID19ワクチン開発を行います。

https://www.niigata-u.ac.jp/news/2020/73341/

 

BCGは、結核以外の呼吸器感染症などにも効果があり1、COVID19への効果も期待されています2, 3。

1, https://www.cell.com/cell/pdf/S0092-8674(20)31139-9.pdf

2, https://www.pnas.org/content/117/30/17720

3, https://www.nature.com/articles/s41577-020-0337-y

 

8月28日-29日、合同学会開催


 2020年8月28日-29日、第34回日本バイオフィルム学会学術集会、第57回日本細菌学会中部支部総会の合同学会を、コロナ禍を鑑み、完全オンラインーリアルタイムで開催いたしました。延べ162名の参加を得てトラブルもなく、またオンラインのメリットも活かされて、充実した会を開催することができたと思います。

 講演賜りました先生方、参加いただきました方々、協賛いただきました企業・病院様に感謝です。

https://www.34biofilm-54saikin-chubu-niigatauniv.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プレスリリース2本


1, TNseqを用いてMycobacterium intracellulareの必須遺伝子を初めて同定し、プレスリリースを行いました。

https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/126_index.html

 

2, 結核の新薬、デラマニドが、NADとのアダクトを形成することを初めて明らかにし、それが抗菌活性に関わることを示し、プレスリリースを行いました。

https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/128_index.html

 

春、人事異動 2020年


 客員研究員の横山 晃 先生(東京大学呼吸器内科へ)とテクニシャンの小林 悠さん(旦那さんの移動により)が共に東京に移動しました。

 一方、井内 絵梨奈さんが大学院修士課程に、竹石 惇樹君が大学院博士課程に入学、小林 悠さんの後任に伊藤 祐子さんが赴任しました。

    コロナ禍で歓送迎会を催せなかったのは残念です。

 

 

 

 

 

 

 

 

新型コロナウイルス感染症、COVID-19と結核ワクチンBCG


 結核ワクチンBCGの接種をとりやめた国のCOVID-19発症者は、死亡率が高い、つまり「COVID-19の重症化とBCG接種は、逆相関する」、と指摘されています。一部の国ではBCG接種効果の治験が始まりました(下記事)。

 

 Can a century-old TB vaccine steel the immune system against the new coronavirus? Mar. 23, 2020, Science.

 

Could BCG be used to protect against COVID-19?  Redelman-Sidi G, Nat Rev Urol. 2020 Apr 27

 

COVID-19: A model correlating BCG vaccination to protection from mortality implicates trained immunity 

Cameron M. Green, Stephanie Fanucchi, Jorge Dominguez-Andres, , Ezio T. Fok, Simone J.C.F.M. Moorlag4, Yutaka Negishi, Leo A. B. Joosten, Mihai G. Netea & Musa M. Mhlanga

 

Mandated Bacillus Calmette-Guérin (BCG) vaccination predicts flattened curves for the 

spread of COVID-19  Martha K. Berg, Qinggang Yu, Cristina E. Salvador, Irene Melani, Shinobu Kitayama

 

Differential COVID-19-attributable mortality and BCG vaccine use in countries

Anita Shet1, MD PhD*, Debashree Ray, PhD, Neelika Malavige2, MBBS PhD, Mathuram Santosham1, MD

 

Is BCG vaccination causally related to reduced COVID‐19 mortality?

Masayuki Miyasaka 

EMBO Mol Med (2020)12:e12661

 

SARS-CoV-2 Rates in BCG-Vaccinated and Unvaccinated Young Adults

Uri Hamiel, MD1; Eran Kozer, MD1; Ilan Youngster, MD, MMSc1

JAMA. 2020;323(22):2340-2341.

 

BCG vaccine protection from severe coronavirus disease 2019 (COVID-19)

Luis E. Escobar,  Alvaro Molina-Cruz, and Carolina Barillas-Mury

PNAS, July 9, 2020

 

 BCG(正式名、Mycobacterium tuberculosis var. BCG、旧 Mycobacterium bovis BCG)は、結核菌の弱毒株で、接種後しばらく人体に持続感染する生ワクチンとして接種されます。BCGの接種や20億人に及んでいる結核菌の無症候感染自体が、人の免疫系を活性化し、抗酸菌症以外の病気に対しても何らかの抵抗性を付与して、接種者の健康や、古くは人類の生き残りに関わってきた可能性も想像されます。

 実際にBCGは、膀胱癌の再発防止に明かな効果があり、またツベルクリン反応(結核菌に対する細胞性免疫応答)陽性とアトピーの逆相関も報告されています。 

 慎重な検証が求められますが、BCG接種がCOVID-19に本当に有効ならば、BCGの利用検討や、何故か?を明らかにする必要があります(松本記)。

 

立石等の論文が、Scientific Reports誌に採択されました。


立石等の下記論文が、Scientific Reports誌に採択されました。

Yoshitaka Tateishi, Yusuke Minato, Anthony D. Baughn, Hiroaki Ohnishi, Akihito Nishiyama, Yuriko Ozeki, Sohkichi Matsumoto

Genome-wide identification of essential genes in Mycobacterium intracellulare by transposon sequencing — Implication for metabolic remodeling, Sci Rep, Published: 25 March 2020

 

非結核性抗酸菌(NTN)症の主要な病原体である、Mycobacterium intracellulareの必須遺伝子、すなわち薬剤標的候補を、トランスポーゾンシーケンス(TN seq)によって全ゲノムレベルで、はじめて特定しました。

NTM症は、近年増加が著しく、また難治性で問題となっています。本論文がNTM症の創薬において重要な情報源になることが期待されます。